健康アドバイス |
「O-157食中毒について」
O-157による食中毒について、当院で入手した資料や情報をわかりやすく
まとめてみましたので、参考にしてください。
●O-157とは?
一般の大腸菌は、健康な人の大腸にいて病気の原因になることはありませんが、
一部の大腸菌は下痢等の病気を引き起こし『病原性大腸菌(びょうげんせいだいちょうきん)』
と呼ばれています。
O-157とは、この病原性大腸菌の一種です。この菌はベロ毒素という毒素を出し、 腸だけで
なく腎臓や脳に障害をきたすことがあり、特に小児や老人では致命的となることがあります。
●O-157食中毒の症状
潜伏期間(菌が体の中に入ってから発病するまでの期間)は、1〜10日と言われており、
他の食中毒に比べて長いことがわかっています。
腹痛と下痢が主な症状です。下痢は、はじめは水様性の(水のような)下痢ですが、
後には出血性の(血の混じった)下痢となることが特徴的です。
ただし、成人では感染しても無症状であったり、あっても軽い下痢だけのこともあります。
また、悪寒・発熱・鼻水・咳のような風邪の様な症状で始まることがあります。
まれに発症後平均約一週間(2〜14日)で『溶血性尿毒症症候群(HUS)』等による
重篤な症状(貧血・腎不全・意識障害・痙攣・脳炎など)を引き起こし、致命的となります。
なお、症状が無くなってから約15日経過すれば、溶血性尿毒症症候群の発生の危険は、
ほぼなくなると言われています。
●食中毒予防対策
O-157は食中毒を引き起こす菌の中でも感染力が特に強いです。
しかし、一般的には食中毒予防の基本を守れば必ず予防できるはずです。
■菌は熱に弱い! 菌は75度以上、1分間以上の加熱により死にます。
調理はできるだけ十分に加熱してください。
■料理はできるだけ加熱直後に食べてください。食べない時は冷蔵庫に保存してください。
■食品を扱う前・料理する前・食べる前・トイレの後は必ずよく手を洗いましょう。
子供の場合は、手洗いが不十分になりやすいので、特に注意してください。
■調理器具(まな板・包丁・ふきん等)は熱湯消毒をしてください。
生肉が触れた物は特に注意してください。
■生で食べる野菜等は、流水でよく洗ってください。
■飲料水の衛生管理に気をつけてください。
特に井戸水や受水槽の取り扱いに注意してください。生水はできるだけ煮沸してください。
●二次感染の防止
万一、出血を伴う下痢を生じた場合は、直ちにかかりつけの医師の診察を受けてください。
それ以外の場合でも、疑わしいとき、不安な時は、受診をおすすめします。
■患者の便は危険です! 患者の便を処理する時は、ゴム手袋などをつけてください。
■患者の便で汚れた衣類は、家族の物とは別にして洗濯し、天日で十分に乾かしてください。
■入浴は患者と一緒に入るのを避け、水は毎日かえてください。