健康アドバイス

動脈硬化性疾患予防ガイドライン<2007年度版>

動脈硬化性疾患の予防ガイドラインの2007年度版が、発表されました。

脂質異常の診断基準(空腹時採血)

 高LDLコレステロール血症(悪玉)   LDLコレステロール      ≧ 140 mg/dl
 高HDLコレステロール血症(善玉)   HDLコレステロール      < 40 mg/dl
 高トリグリセライド血症 (中性脂肪)   トリグリセライド       ≧ 150 mg/dl

この診断基準は、薬物療法の開始基準を表記しているものではない。
薬物療法の適用に関しては、他の危険因子も勘案して決定されるべきものである。

すなわち、この値になったからといって、すぐに薬を飲み始めなければならないという事ではなく、
下記に示すように、色々な危険因子(動脈硬化を引き起こす要因)もよく考え、
照らし合わせて、決められるべきであるという事です。

リスク別脂質管理目標値

治療方針の原則
カテゴリー
脂質管理目標値
(mg/dl)
LDL-C以外の
主要危険因子*
LDL-C
HDL-C
TG
1次予防
 まず生活習慣の改善を
 行った後、薬物治療の
 適応を考慮する。
1
(低リスク群)
0
< 160
≧40
< 150
2
(中リスク群)
1〜2
< 140
3
(高リスク群)
3以上
< 120

2次予防
 生活習慣の改善とともに
 薬物治療を考慮する。

冠動脈疾患の既往
< 100

脂質管理と同時に、他の危険因子(喫煙、高血圧や糖尿病の治療など)を是正する必要がある。

  *LDL-C値以外の主要危険因子
    ・加齢(男性45歳以上、女性55歳以上)
    ・ 高血圧
    ・糖尿病(耐糖能異常を含む)
    ・喫煙
    ・冠動脈疾患の家族歴
    ・低HDL-C血症(<40 mg/dl)
    ☆糖尿病、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症の合併は、3(高リスク群)とする。

検査結果の数値だけを見て、安心したり、不安になったりせずに、色々な要因を総合的に診て、
判断する事が必要ですので、主治医とよく相談して、今後の治療にお役立てください。