血圧脈波検査装置(PWV/ABI)について

 動脈硬化とは動脈血管壁にコレステロール等の脂質が沈着し、血管の細胞が増殖したりして、
血管が弾力を失い、硬化するとともに、内腔が狭くなる(狭窄)状態です。
 動脈硬化の危険因子には次のようなものがあります。

 1)高血圧
 2)糖尿病
 3)高脂血症
 4)喫煙
 5)肥満など

 動脈硬化の進行を放置すると、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞・脳出血・閉塞性動脈硬化症などを
引き起こす原因となります。

 血圧脈波検査装置(ABI/PWV)は、動脈硬化を客観的に評価することのできる非侵襲的な検査です。

  ABI(足関節/上腕血圧比)とは足関節収縮期血圧/上腕収縮期血圧のことです。
 通常は下肢(足関節)の血圧は上肢(腕)の血圧と同じか少し高いのですが、この比が0.9以下の時は、
下肢の動脈に狭窄または閉塞が疑われます。両側足関節と両側上腕の血圧を同時に測ることによって
ABIを算出し、下肢動脈の狭窄・閉塞を評価しようとする検査です。また血圧の左右差を知ることも重要です。

ABI 評価基準
0.9 < ABI < 1.3
正常
   ABI ≦ 0.9
動脈閉塞の疑いがある 
   ABI ≦ 0.8
動脈閉塞の可能性が高い
0.5 < ABI ≦ 0.8
動脈閉塞が1ヶ所はある
   ABI ≧ 1.3
動脈が石灰化している 



  PWV(脈波伝播速度)について
 心臓から押し出された血液により生じた拍動(脈波)の伝わる速度(腕から足首まで)を測定する検査です。
健常者は血管がしなやかであり、ゴムチューブのように弾力性があるため、拍動(脈波)が血管で吸収されて
スピード(PWV)が遅くなります。これに対し、動脈硬化の起こっている血管は、土管のように血管壁が硬く
なっているために拍動(脈波)が血管壁で吸収されず、スピード(PWV)が速くなります。
要するに、動脈硬化が強くなるほど脈波伝播速度(PWV)が速くなるという現象に基づいて、
血管のしなやかさを評価する検査です。PWVは年齢とともに増加します。

 検査の実質的な時間は3分ほどです。検査の準備などを含めると全部で10分くらいかかります。
当院では推定血管年齢が出るようにセットしてあります。