がん免疫療法について           「はじめに」

「がん免疫療法をはじめるにあたって」

 2002年10月に厚生労働省助成がん研究班による
「国内がん患者における代替療法の利用実態調査」が公表されました。
その結果、3045名のがん患者さんのうち、約45%が健康食品などの補完代替療法を
利用している事実が明らかになりました。


 癌(がん)の代替療法はわかりやすくいいますと、通常のがんの三大療法といわれる
手術療法・薬物療法(抗がん剤)・放射線療法以外のまだ科学的にはっきり証明されて
いない治療法を意味します。よく本や新聞などで「アガリクスやプロポリスが癌に効く」
ということを見かけますが、これに類するものです。

 また2002年10月1日に日本癌学会において、がんの代替療法について医師がどう
認識しているかを調べたアンケート結果の発表がありました。
それによりますと「代替療法は無効」と回答した医師が79%も占めました。その主な
理由は「信頼できる情報の欠如」ということでした。

 要するに医師の多くは、科学的に証明できるデータがないので信用していないと
いうことです。

 私の専門は循環器内科ですが、ある事がきっかけで、がんの代替療法の代表である
免疫療法を勉強する機会を得ました。
がんの免疫療法は、まだ十分なデータが出ていないため、日本の医学界では認められて
いない分野です。そのため、保険の適応がなく自費診療となるため、非常にお金のかか
る治療法ですが、生命を脅かすがんの 三大療法以外の治療法として、やってみる価値が
十分あるのではないかと思いました。

 ただし、私はこのがんの三大療法を否定する者ではありませんし、現在の免疫療法の
効果を絶対的なものだとは思っておりません。
 三大療法との併用によっても効果があるのではないかと思っています。何をもって効
いたとするかという議論はありますが、確かに効果のない症例もあります。ただ三大療
法に限界がありもう病院での治療法がない時、またその効果に比べ抗がん剤や放射線療法
などの副作用に辛い 思いをしている方などは、特に一度試してみる価値は十分にあると
思います。

がんの免疫療法は今後ますます新しい事が究明され、
進歩していく治療法である事に違いありません。


 私は、日本では数少ない免疫療法の研究機関である近畿大学腫瘍免疫等研究所・
オリエント三鷹クリニックのスーパーバイザーの八木田旭邦先生にご指導頂き、
当院で同様の治療法をやってみようと思いました。
八木田先生が確立されたがん免疫療法は「新免疫療法」と呼ばれています。

 「新免疫療法」とは、ある種のキノコ成分・酵母成分・特殊なオリゴ糖の内服
により、人が元来持っているがんに対する免疫力を高めると同時に、特殊なサメ
軟骨の内服により、がんの新生血管(がんが自らを栄養するために作る異常血管)
の増殖を抑制する治療法で、副作用が少なく患者さんの体にとって優しい治療法
といえます。
 がんを宣告された患者さんの多くが、アガリクスやメシマコブやプロポリスな
どを高いお金を出して、漫然と服用している事実があります。

もちろんそれで効果があればいうことはないのですが、八木田教授のデータでは、
アガリクスなどは長期に服用していくうちに一度上がった免疫の効果が低下して
いくことが認められています。


 私は高いお金をかけるのであれば、より効果があり持続する物を、できれば定期的
に血液検査をして実際に免疫能をチェックしながら、薬の量や種類を調節しながら治
療していく方がいいのではと思うのです。
 ただ非常にお金のかかる治療法に違いありませんので、どのように治療していくかは、
個々の患者さんの事情やお考えを尊重した上で、できる範囲でやればいいと思ってい
ますし、当院ではできる限り患者さんの負担にならないような価格設定をしています。

お薬のみの販売もご相談に応じています。
 
当院では、がんの進行度や広がりを詳しく検査する事はできません。
腫瘍マーカーを血液検査で調べるだけでは正確な評価はできません。
あくまでもそれぞれの領域のがんの専門医にその辺はしっかり評価して頂かなくて
はなりません。当院は入院施設もありません。
ですから、それぞれの病院の診療を一切拒否して当院に来られるのは、免疫療法の
効果を判断する上においてもよくありません。
 当院ではあくまでも患者さんが診療を受けている病院の治療との併用で新免疫療
法を行いたいというスタンスでいきたいと思います。

 「新免疫療法」を行うのは兵庫県では当院が初めての医療機関です。
私はがんで苦しんでおられる患者さんの力に少しでもなりたい・・・そう強く願って
やみません。もしこの治療法にご興味のある方は、お気軽にご相談下さい。
詳しい説明をお聞きになりたい方は時間がかかりますので、お電話にて予約をお受け
したいと思います。また、当院ではこの治療法にご理解を頂くために、免疫療法につ
いての本を無料で貸し出ししております。

がん免疫療法の理論へ